2025/04/10
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車の廃車、売却、譲渡等で自動車保険を解約する際に発行できる「中断証明書」をご存じでしょうか。
保険の解約時に「中断証明書」を発行しないでいると、今まで積み上げてきた等級(保険料の割増引率を決定する等級)が消滅してしまい、再度保険に加入する際には新規契約の等級が適用されて保険料が大幅に上がる可能性があります。
しかし、特定の条件を満たせば「中断証明書」を発行することができ、等級を維持できます。これにより、再度保険に加入する際にも解約前の等級を引き継ぎ、保険料の割引を継続できますので、車を廃車、売却、譲渡する際等には、中断証明書の発行を行うことをお勧めいたします。
★自動車保険の等級制度については下記のコラムで紹介しています。
自動車保険を使うと保険料が上がる!?
1. 中断証明書を発行できる事由
中断証明書は、以下のような場面で自動車保険を解約する際に発行できます。
- 車両の廃車、売却、譲渡やリース業者への返還
- 海外渡航により一時的に自動車保険を中断する場合
- その他一時的に車両を使用しない場合(一時抹消登録が必要)
- ⾞検切れ、盗難、災害等
その中でも代表的な「車両の廃車、売却、譲渡やリース業者への返還」を中心に、中断証明書の仕組みや発行方法をご案内いたします。
2. 中断証明書を発行できる期間
保険の解約日の翌日から【13ヶ月以内】に発行依頼を行う必要があります。長期入院等やむを得ない事情がない限り、13ヶ月を超えた場合は発行できません。
自動車保険の解約手続きの際に、中断証明書の発行依頼も行えますので、手続きを忘れてしまわないように同時に手続きを済ませることをお勧めいたします。
3. 中断証明書発行の際の注意
中断証明書発行の条件として、自動車の廃車・譲渡・返還の日付が自動車保険の解約日以前である必要があります。つまり、自動車保険を先に解約して、翌日以降に廃車・譲渡・返還を行うと中断証明書の発行が出来なくなる可能性があります。
廃車・譲渡・返還の日付と、保険の解約日のタイミングを誤らないように気を付けてください。
4. 中断証明書の発行方法
中断証明書の発行方法は以下の通りです。
(廃車・譲渡・返還の場合を中心に説明いたします。)
(1) 中断証明書の発行依頼
ご加入の保険代理店や保険会社に中断証明書の発行を依頼してください。自動車保険の解約時に依頼するとスムーズです。
(2) 必要情報・必要書類
主に下記の情報や書類が必要となります。
- ・廃車・譲渡・返還の日付
- ・登録事項等証明書や売買契約書等の廃車・譲渡・返還の日付が分かる資料
※多くの保険会社では、資料の代わりに廃車委託先や売却先、リース返還先の名前と住所を伝えることで、書類提出を省略することができます。
5. 中断証明書を使用して新たに自動車保険に加入する方法
中断証明書の有効期限は、一般的に保険解約日の翌日から起算して【10年間】です。10年間の間に新たに自動車保険に加入する際は、中断証明書を提出することで中断前の等級(割引)を新契約に引き継ぐことができます。
※中断証明書を紛失した場合は、再発行の手続きが可能です。
ただし、条件によっては等級の引き継ぎが出来ない場合があります。
●中断前の契約と新契約で、自動車の用途車種が大きく異なる場合。
※引き継ぎが出来る組み合わせと、そうでないものがあります。
例1)中断前は自家用普通乗用車で、新契約は自家用小型乗用車 → 〇
例2)中断前は自家用普通乗用車で、新契約は営業用小型貨物車 → ✕
●中断前の契約と新契約で、記名被保険者(主に自動車を運転する方)や車両所有者が異なる場合
※親族等であれば等級を引き継げる場合もあります。ご自身がもう自動車を運転しない場合でも、親族への引継ぎを検討してみてください。実際に引継ぎができるかどうかについては、取扱保険会社や代理店に確認をお願いいたします。
6. まとめ
自動車保険の中断証明書は、ライフスタイルの変化や車の利用状況に柔軟に対応できる便利な制度です。正しい手続きを踏んで発行し、是非お得に自動車保険を活用しましょう。