身分証を紛失した際に知っておきたい、適切な対応と備え

財布を開けた瞬間、違和感がありました。
いつもあるはずの運転免許証とマイナンバーカードが見当たらないのです。
外出先で落としたのか、それとも盗まれたのか——。
頭の中で最悪のシナリオがぐるぐると回り、「これは大変なことになるかもしれない」と背筋が冷たくなったことを、今でもよく覚えています。

1. 身分証をなくしてしまった私の体験から

◆ 慌てながらも、まずは警察へ

最初に向かったのは近くの交番でした。
「遺失物届」を提出し、紛失した状況を説明。届け出を出しておくことで、万が一第三者に悪用された場合でも「紛失届を提出済み」という事実を示すことができます。
ただし、これで安心というわけではありません。特にマイナンバーカードは個人情報の塊。運転免許証とセットで紛失してしまうと、本人確認に必要な情報がほぼ揃ってしまうため、慎重な対応が求められます。

◆ 手間も時間もかかる再発行手続き

次に取りかかったのは、運転免許証とマイナンバーカードの再発行でした。
それぞれの窓口で本人確認書類を準備し、手数料を支払い、申請を行います。
待ち時間も長く、平日に時間を確保するのも一苦労でした。
特にマイナンバーカードは発行までに1か月以上かかり、その間はさまざまな手続きで不便を感じました。

◆ 悪用リスクへの備えも重要

最も不安だったのは、「自分の身分証が悪用されるのではないか」という点でした。
知らないうちにクレジットカードや携帯電話の契約が行われているかもしれない——。
そんな不安から、信用情報機関への本人申告登録を行いました。
主な対応は次のとおりです。

  • CICやJICCに『身分証を紛失した』旨を登録
    → クレジットカード申し込み時などに審査側へ警戒を促すことができます。
  • 利用中のクレジットカード会社にも連絡
    → 「紛失した身分証で不審な申込みがあれば止めてほしい」と伝えました。

調べながらの作業は大変でしたが、「できることはやった」という安心感がありました。

◆ そして半年後、「えっ、こんなところに…?」

再発行した身分証を使いながら半年ほど経ったある日。
家の書類ファイルを整理していたところ、ポケットの中から——紛失したはずの免許証とマイナンバーカードが出てきました。
まさかの展開に、脱力と安堵、そして少しの呆れが混ざった不思議な気持ちに。
「こんなところにあったのか…」と、思わず笑ってしまいました。

◆ 失って気づく、大切なもの

今回の経験で痛感したのは、「身分証はなくしてからでは遅い」ということです。
日頃から、次のような備えを意識しておくことが大切だと感じました。

  • 身分証は一か所にまとめず、必要以上に持ち歩かない
  • 紛失時の対応方法を事前に知っておく
  • 信用情報機関の仕組みを理解し、いざという時に備える

身分証は、自分を証明するための“鍵”のようなものです。
失うと、想像以上に生活への影響が大きくなります。
今後は、取り扱いや管理により一層気をつけたいと思います。

2. 身分証を紛失したときに取るべき主な対応

まず行うべきは、警察への届け出(遺失物届)です。
最寄りの交番や警察署で提出し、受理番号(または受理証明書)を控えておきましょう。
この番号は、再発行手続きや本人確認の際に役立ちます。
続いて、各証明書の再発行手続きを行います。

  • 運転免許証

    手続き場所:住所地の運転免許センター・警察署
    必要書類:健康保険証・パスポートなどの本人確認書類、写真、手数料
    交付目安:即日または数日後(地域差あり)

  • マイナンバーカード

    手続き場所:市区町村の役所
    必要書類:本人確認書類、再発行申請書、手数料
    再発行までの期間:数週間〜1か月程度

    ※紛失後すぐに「マイナンバーカード一時停止」の手続きを行うことも忘れずに。

    ▶詳しい手続き方法は、マイナンバーカード総合サイト(紛失・盗難時の対応について)をご覧ください。

3. 身分証の悪用防止に向けた対応(信用情報機関編)

身分証を悪用されるリスク(なりすまし)を減らすには、信用情報機関への「本人申告」登録が有効です。審査の段階で注意喚起がなされるため、一定の抑止効果があります。

機関名 主な情報 登録方法
CIC(株式会社シー・アイ・シー) クレジットカード・割賦販売 Webまたは郵送
JICC(日本信用情報機構) 消費者金融・携帯電話端末割賦 Webまたは郵送
KSC(全国銀行個人信用情報センター) 銀行ローン・カードローン 銀行窓口などで相談

登録後も、不審な動きがないかを確認するため、定期的に信用情報の本人開示を行うと安心です。(CIC・JICCはオンラインで対応可能)
また、利用中のクレジットカード会社や銀行にも連絡し、「身分証を紛失したので、不正利用があれば止めてほしい」と伝えておきましょう。

4. 再発行後に古い身分証が見つかった場合

古いカードや免許証は、再発行と同時に無効になっています。
使用せず、役所や警察に返却するか、自己処分する場合はシュレッダーなどで確実に破棄しましょう。

5. 最後に

身分証をなくすことは、一瞬の不注意で誰にでも起こり得ます。
しかし、その後の対応を正しく行えば、被害を最小限に抑えることができます。
焦らず、落ち着いて、できることから一つずつ。
この経験が、どなたかの“もしも”のときの参考になれば幸いです。

この記事を書いた人:
カスタマーサポート部 チーフスタッフ I.M

保険事務を担当しています。
お客さまの生活や事業を支える保険に、真摯に向き合い、お客さまの声に耳を傾けお一人お一人のご要望に合った補償と安心をお届けできればと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。

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