海外旅行保険を選ぶときに知っておきたい「救援者費用」
〜もしもの時、「大切な人」がそばにいられるために〜

夏休みやシルバーウィークなど、まとまった休暇を利用して海外旅行を計画する方が増える時期になってきました。
異国の文化や風景に触れる旅は、日常では味わえない体験や発見があり、視野を広げてくれる貴重な時間です。

一方で、思わぬ病気やケガ、トラブルに見舞われることも決して珍しいことではありません。
特に現地で入院や緊急搬送が必要になった場合、経済的な負担だけでなく精神的な負担も大きくのしかかります。

海外旅行保険の補償の中では、「治療費用」が重要なのはもちろんですが、もうひとつ注目しておきたいのが「救援者費用」の補償です。
もしもの時に心強い支えとなるその内容を、事例を交えながらご紹介します。

1. 救援者費用とは?

救援者費用は、以下のようなケースを補償してくれるものです。

  • ご家族が現地に駆けつけるための航空券や宿泊費
  • 現地での通訳やサポートにかかる費用
  • 医師や看護師の付き添いによる帰国搬送費用
  • 万が一の際の遺体搬送・手続き費用

保険商品によって補償額は異なりますが、100万円〜1,000万円以上の高額な費用をカバーできる場合もあります。

2. 救援者費用の地域別の事例

高額な救援者費用が発生した実例について、地域別に3点ご紹介します。

2-1.アメリカにおける事例

事例
ハワイで海水浴中に溺れ、意識不明に。1ヶ月ICUに入院した後、看護師付き添いのプライベートジェットで帰国。
総費用
約1,700万円
内訳
ICU入院費:約1,000〜1,200万円
看護師付添いプライベートジェット帰国:約400〜600万円
家族の渡航・宿泊費用:数十万円程度

アメリカは医療費が極めて高額で、保険なしでは現実的に負担が不可能です。治療費用・救援者費用ともに十分な補償を備えておくことが大切です。

2-2.アジアにおける事例

事例
インドネシアで交通事故に遭い、シンガポールへ緊急移送。
総費用
約776万円
内訳
現地入院費:約200〜300万円
救急搬送(隣国移送)費用:約300〜400万円
家族の渡航・宿泊費:数十万円

医療体制が整っていない地域では、重症時に他国へ搬送が必要になることも多く、費用が大きく膨らみやすいのが特徴です。こうしたケースでも、救援者費用の補償があれば安心して治療を受けることができます。

2-3.ヨーロッパにおける事例

事例
パリで急性心不全を発症しICU入院。家族が現地に滞在し看病。
総費用
約181万円
内訳
ICU入院費:100万円前後
家族の渡航・滞在費:30〜50万円
その他通訳・現地対応:数万円

医療水準が高くても、言葉や文化の壁による不安は大きいものです。家族の同行が何よりの支えとなるケースも少なくありません。

3. 便利なキャッシュレス診療

多くの海外旅行保険は、提携医療機関とのキャッシュレス診療に対応しています。これにより現地で高額な医療費を立て替えることなく治療を受けることができ、金銭面の不安が軽減されます。
※事前に提携病院かどうかを確認する必要があります。

4. 日本の健康保険における「海外療養費」制度について

帰国後、日本の健康保険で「海外療養費」として一部の治療費を請求できる場合があります。ただし、カバーされるのはあくまで治療費のみで、救援者費用や移送費、通訳費などは対象外です。
請求には診療明細書などが必要ですので、受診時にしっかり書類を揃えておきましょう。

5. 民間の医療保険・共済

見落とされがちですが、日本で加入している民間の医療保険や医療共済でも、海外で受けた治療(入院・手術・通院など)に対して保険金を請求できる場合があります。
ただし、一部の商品や特約では海外での治療が対象外となることもありますので、保障の範囲や請求方法について事前に確認しておくと、より一層安心です。

6. クレジットカード付帯保険の注意点

最近は「クレジットカードに海外旅行保険が自動で付いているから大丈夫」と思う方も多いかもしれません。ただ、このカード付帯保険には注意が必要です。

  • ・自動付帯と利用付帯
    クレジットカードによっては「旅行代金をそのカードで支払った場合のみ補償が有効になる(利用付帯)」ものもあります。ご自身のカードが自動付帯か利用付帯かを事前に確認しておきましょう。
  • ・補償金額が低め
    カード付帯の保険では、治療費用や救援者費用の上限が100万円〜200万円程度と、単独の海外旅行保険に比べると補償が少額な場合が多いです。アメリカなど医療費が高い国では補償が足りないケースも少なくありません。
  • ・家族は対象外のケースも
    クレジットカードによっては本人のみが補償対象で、同行する家族は対象外のことがあります。

このようにクレジットカードの付帯保険だけでは補償が不十分になるリスクが高いため、カード付帯保険は「補助」と位置づけ、別途しっかりとした海外旅行保険に加入することをおすすめします。

7. まとめ:備えが「心の余裕」になる

保険は「もしものときに役に立つ」だけでなく、安心して旅を楽しむための支えになります。
「救援者費用」「キャッシュレス診療」「日本の健康保険制度」「民間の医療保険・共済」、そして「クレジットカード付帯保険の注意点」までしっかり理解し、万全の備えで心から旅を楽しんでください。
ご不安な点がございましたら、是非ユナイト株式会社までご相談ください。

この記事を書いた人

「人生で保険を使う機会はゼロに越したことありません。しかし万が一というように、 一万回に一回あったとして、そのいざという時に使えない保険では意味がないです。 ただ、保険自体ではなくて、担当者のスキルに良し悪しが存在していることに気付いていただきたいです。

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