2025/06/10
早いもので今年も半年が過ぎようとしています。季節は梅雨へと移り変わり、体調管理にも気を配りたい時期ですね。今月も元気に過ごしていきましょう。
今回は、先月に続いて火災保険についてのお話です。
火災保険に加入する際、必ず確認することのひとつに、「保険金額の設定」があります。「保険金額ってなに?」「再調達価額ってどういう意味?」と、専門用語に戸惑う方も多いかもしれません。今回はこの2つの言葉について、わかりやすく説明します。
1. 再調達価額とは?
例えば、木造2階建て・延べ床面積100㎡・築20年の家があるとします。
この家が火災で全焼してしまった場合、同じ大きさ・同じ仕様の家を今、新しく建て直すには、たとえば2,000万円かかるとしましょう。この「建て直しに必要な金額」が再調達価額です。
たとえ築年数が古くても、時価額ではなく「いま建て直すならいくらかかるか」を基準に補償を考えるのです。
2. 保険金額とは?
次に保険金額ですが、これは火災保険で補償される上限の金額を指します。
たとえば、先ほどの家の再調達価額が2,000万円だったにもかかわらず、保険金額を1,000万円に設定していたとします。万が一全焼してしまった場合、必要な建築費は2,000万円でも、保険から支払われるのは最大1,000万円まで。残りの1,000万円は自己負担になってしまいます。
3. よくある誤解
「築20年だから価値は低いし、保険も安くていいのでは?」と考える方も少なくありません。
しかし、火災保険は「いざというときに新たに生活を立て直すための補償」です。中古住宅としての価値ではなく、「同じ家を新築で建て直す費用(=再調達価額)」を基準に、しっかり備えることが大切です。
4. 再調達価額の見直しも大切
保険の更新の際に、前回と同じ再調達価額・保険金額でそのまま更新してしまうケースがよくあります。
しかし、近年は建材や人件費などの高騰により物価が上がり続けているため、再調達価額も物価に応じて見直すことが重要です。更新時には、建築費の変動を踏まえて再調達価額を再計算し、適切な保険金額を設定するようにしましょう。
5. まとめ
- 再調達価額:今、新築で同じ家を建て直すために必要な金額
- 保険金額:火災保険で補償される上限額
- ポイント:保険金額が再調達価額より低いと、自己負担が発生します
「いざ」というときに困らないためには、「今、新築で同じ家を建てるにはいくらかかるか?」を基準に、保険金額を設定することが大切です。
保険金額は、建材費や人件費といった現時点での建築費をもとに設定します。保険会社が算出した評価額を参考にしつつ、実際の構造や仕様に応じた調整も可能です。詳細は、ぜひ担当の代理店にご相談ください。