2024/08/05
皆さんは、自転車保険にご加入済みでしょうか?
東京都では2020年4月1日から自転車保険が義務化されました。現在、全国的にも多くの自治体で義務化されています。
自転車保険の義務化を広めるきっかけになった事故があります。
「2008年に兵庫県内で、自転車に乗った当時小学5年生の少年が坂道を下っている途中、歩行者の女性(当時60代)に衝突してしまいました。
被害女性は頭がい骨を骨折、意識不明の重体となり、その後も意識は戻らず寝たきりの状態となってしまい、9,521万円の損害賠償金の支払いが命じられました。」
この事故をきっかけに自転車事故の危険性が広まり、自転車損害賠償責任保険の加入を義務づける自治体が増えてきました。
では、自治体が義務付ける「自転車保険」とはどういうものかはご存知ですか?
義務化の対象になるのは「相手に賠償ができる保険」です。必ずしも「自転車保険」という名称である必要はなく、自動車保険や火災保険にオプションで追加できる「個人賠償責任保険」でも十分です。どちらも、1年の保険料が数千円で準備できる保険です。
でも、それって何が違うの?簡単に特徴をあげてみましょう。
- 自転車保険
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- ⦁ 自身のケガの補償がセットになったものが多い
- ⦁ 自転車そのものの修理費や盗難への補償が付いたものもある
- ⦁ 賠償責任の範囲は狭いものもある
- ・本人のみ
- ・自転車に乗っているときの事故のみ
- ・「この自転車」に乗っているときの事故のみ など
- 個人賠償責任保険
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- ⦁ 賠償責任の範囲は広い
- ・同居の家族が対象(仕送りでひとり暮らしの大学生も含みます)
- ・日常生活全般での賠償責任を補償
- ⦁ ケガや自分の自転車などの、賠償以外の補償はない
- ⦁ 賠償責任の範囲は広い
自転車が趣味で、高級なロードバイクを大切に乗っている方や、やんちゃな男子が自転車乗り回して、そのうち絶対ケガをしそうという方は、「自転車保険」からお好みの補償タイプを探していただくとよいかもしれません。
そうでない方は、むしろ「個人賠償責任保険」の方が賠償補償の対象が広く、お値打ちかもしれません。
- ⦁ お店の棚の商品を落として割ってしまった
- ⦁ お散歩中の愛犬が、通りすがりの人に嚙みついてケガをさせてしまった
- ⦁ 公園での草野球、大ホームランで隣家の窓ガラスが割れた
「個人賠償責任保険」は日常生活全般にわたる補償ですので、自転車に乗る乗らない関係なく、様々な場面で役立つ可能性があります。
最初の質問に戻ります。「皆さんは、自転車保険にご加入済みでしょうか?」
「YES」の方は、ぜひ一度内容をご確認ください。
そして、保険ってまぁだいたい書類を読んでもよくわからないことが多いです。お問合せ先に連絡してみて、「こういう時に支払われる内容になっていますか?」と聞いてみてください。その対応で、本当に事故が起きた時に頼れる保険か、そうでないか、そんなことも感じられるかもしれません。
「NO」の方、家族が自転車に乗られないのかもしれません。でももし、お子さんの蹴ったサッカーボールが届く範囲に近所の高級車の駐車場があったとしたら。自動車保険や火災保険に「個人賠償責任保険」がちゃんと付いているか、ぜひ一度見てみてください。